2005年11月25日(金)「しんぶん赤旗」
靖国参拝は国際問題
中国大使 “世界秩序にかかわる”
中国の王毅駐日大使は二十四日、都内の外国特派員協会で講演し、小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題について、「単なる日中間の問題ではなく、すべての戦争被害国、すべての国際社会との問題になってきている」との認識を示しました。
王大使は、「靖国問題の最大のポイントはA級戦犯だ」と述べ、「A級戦犯の取り扱いは完全には日本の内政問題ではない。日中国交正常化の政治的基盤であり、日本の戦後の出発点でもあり、戦後世界の秩序づくりにも大きくかかわっている問題だ」と指摘しました。
「こういう状況がつづけば日中の共通利益にならないし、日中関係の堅実な発展に影響を与える」と述べ、首相の靖国参拝中止をあらためて求めました。
米中関係について王大使は、「対テロ、核拡散防止、経済発展など中米間の共通利益は増えている」と述べ、台湾問題について「両国とも台湾の独立に反対し、台湾海峡の安定的発展を求めている」として、対話を通じて共通理解を強める意向を示しました。
ゼーリック米国務副長官が「アジアにおける中国の利益を尊重する」との認識を示したことも高く評価しました。