2005年11月27日(日)「しんぶん赤旗」
耐震偽造追及は“悪者捜し”
自民幹事長 安全より業界
自民党の武部勤幹事長は二十六日、北海道釧路市で講演し、マンションなどの耐震強度偽造問題で住民から不安の声が出ていることについて、「悪者さがしに終始すると、マンション業界はバタバタとつぶれる。不動産業界もまいってくる。これは景気がおかしくなるほどの大きいものだ」と述べ、偽造問題の徹底解明に否定的な姿勢を示しました。
武部氏は「BSE(牛海綿状脳症)のときもそうだったが、対応には気をつけなければいけない」と強調。そのうえで「『大変だ大変だ』『心配で寝られない』といったらそりゃ寝られないだろう。自分のところのマンションが、大きな地震がきたらつぶれるという話ばっかりされると」と述べ、住民の不安をおさえつける立場を示しました。
武部氏は、二〇〇一年四月発足の小泉内閣で農水相を務めていたとき、BSE問題で国内で感染牛が見つかっても「まだまだ出るから驚かないでください」(同十二月)と放言。「感染源が解明されないことは大きな問題か」などと暴言を繰り返し、厳しい批判を浴びました。どうやら、マンション偽造問題でも、その姿勢はかわらないようです。(柳)