2005年11月28日(月)「しんぶん赤旗」
「兵士を生きて帰らせて」
米大統領の農場近くで集会
イラク即時撤退訴え
【ワシントン=山崎伸治】息子がイラクで戦死したことをめぐり、ブッシュ米大統領への面会を求めてきたシンディ・シーハンさんら反戦組織が二十六日、大統領の農場のあるテキサス州クロフォードで集会を開き、イラクからの米軍の即時撤退を訴えました。
■シーハンさんら再びキャンプ
現地からの報道によると、集会には約二百人が参加。シーハンさんのほか、ベトナム戦争の秘密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」を暴露したことで知られる反戦活動家のダニエル・エルズバーグさん、元米外交官のアン・ライトさんらが発言しました。
シーハンさんは、星条旗にくるまれたひつぎが米国本土に向かう飛行機に乗せられている写真を示し、「これがジョージ・ブッシュ氏のイラクからの撤退戦略だ。私たちは、子どもらが飛行機から、ひつぎに乗せられてではなく、歩いて降りてきてほしい」と訴えました。
ブッシュ氏は同日、土曜日恒例のラジオ演説を行い、感謝祭にちなんで「私たちは軍隊がこの危険な時代に平和を確保していることに感謝している」と表明。「軍人の家族にも感謝を表明する」と述べ、シーハンさんら反戦を訴える軍人家族らを意識したものとなりました。
戦死者平和遺族会や声を上げる軍人家族の会、反戦イラク退役軍人会、退役軍人平和会など反戦組織は、ブッシュ氏が感謝祭の休暇のため、農場入りした二十二日から同地でキャンプを張っていました。二十五日には、シーハンさんの息子らイラクで死亡した米兵二千百人を記念する碑が披露されました。
シーハンさんによる座り込みは今年八月、ブッシュ氏が夏休みのため農場を訪れた際に始まり、反戦組織が加わって二十六日間におよぶ大規模なキャンプとなりました。今後もブッシュ氏が農場を訪れるたびに、キャンプを再開するとしています。