2005年12月1日(木)「しんぶん赤旗」
自民ピリピリ「信用にかかわる」
武部氏「悪者探し」発言
耐震偽装問題
マンションの耐震強度偽装問題で自民党の武部勤幹事長が「悪者さがしに終始するとマンション業界はバタバタとつぶれる」と発言したことに対し、自民党内から批判の声があがっています。
「自民党のイメージ、信用にかかわる話だ」と都内の講演(十一月二十八日)で批判したのは加藤紘一元幹事長。「命にかかわる重大なテーマだ。党員の多くはこれを深刻にとらえている」と「武部発言」にぴりぴりする党内の雰囲気を代弁しました。高村正彦元外相も同日、「悪者さがしを徹底的にやらないと、善良な業者まで倒産して景気も悪くなる」と「武部発言」と逆の論を展開。「事前にチェックをしくじったのだから、事後チェックをしっかりやらなくてはならない」と注文をつけました。
久間章生総務会長は、マンションなど建築確認を民間の検査機関が行っていることについて「どこまで民間にゆだねるのか、最後の譲れない砦(とりで)は何か、きちんと検証する必要がある」(十一月二十六日、大阪市内の講演)と指摘。民間にゆだねられた建築確認の責任体制を検証すべきだという考えを示しました。
耐震強度偽装が行われた背景には、一九九八年の建築基準法改悪で、これまで自治体が行ってきた建築確認・完了検査を安易に民間にゆだねた「規制緩和」があります。これに日本共産党以外の各党・会派は賛成してきました。
「武部発言」を批判するのなら、法改悪に賛成し、ルールなき状態を生み出した自民党自らの責任にも目をむけるべきではないでしょうか。(立)