2005年12月1日(木)「しんぶん赤旗」

9条に注目したGPPACとは?


 〈問い〉 日本の憲法9条の役割に注目したGPPACとはなんですか?

(山梨・一読者)

 〈答え〉 ジーパックというのは、世界の多くの市民団体(NGO)が、協力し合ってつくりあげている平和運動の一つです。正式名称を「武力紛争予防のためのグローバルパートナーシップ(The Global Partnership for the Prevention of Armed Conflict)」といい、頭文字をとってGPPAC(ジーパック)とよばれています。

 4年前、国連のアナン事務総長が、紛争予防のためには市民の役割が大切だとして、NGO国際会議の開催をよびかけました。

 これにこたえ、世界を15の地域に分けて準備会合が開かれ(北東アジアは今年2月に東京の国連大学で)、今年7月には、国連本部で世界会議が開かれました。

 118カ国、900人以上が参加した同会議で確認された「世界行動宣言」は、憲法9条を次のように評価しています。

 「世界には、規範的・法的誓約が地域の安定を促進し信頼を増進させるための重要な役割を果たしている地域がある。例えば日本国憲法第9条は、紛争解決の手段としての戦争を放棄するとともに、その目的での戦力の保持を放棄している。これは、アジア太平洋地域全体の集団安全保障の土台となってきた」

 「集団安全保障」とは、国連の平和ルールを意味する言葉です。これまでも、1999年のハーグ平和アピール会議や2000年の国連ミレニアムフォーラムをはじめ、NGOの会議では憲法9条の大切さが確認されてきました。

 今回のジーパックの宣言が重要な点は、その憲法9条がアジア太平洋の全域において、平和の国際ルールの役割をもつことが確認された点です。

 なお、今年の8月15日、ジーパックはアジアを中心とする新聞に、9条の大切さを訴える意見広告の掲載をよびかけました。9カ国12の新聞が意見広告を載せました。(伸)

 〔2005・12・1(木)〕


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