2005年12月2日(金)「しんぶん赤旗」
建設も検査機関もオリックス系
違法の地下室マンション
公正審査に疑問
横浜地裁が建築基準法違反として十一月三十日に建築確認を取り消したオリックス・リアルエステート(本社・東京)の地下室マンション問題で、建築確認を出したのはオリックス系列企業が出資した民間検査機関だったことが本紙の調べでわかりました。建築主と検査機関が共通した利害関係を持っていたわけで、民間企業にゆだねる現行の建築確認制度の問題があらためて問われています。
問題のマンションは、同区日吉本町の斜面緑地に建設された地上三階地下七階の地下室マンション(三十六戸)。建物の高さは十メートルに規制されているのに、十メートル近く「盛り土」することで地下室面積を増やし、実質三十メートルの高さを確保しました。横浜地裁は「規制逃れが目的」と建築基準法違反を認定し、地下室マンションの建築確認を初めて取り消しました。
このマンションに建築確認を出した民間確認検査機関の東京建築検査機構は清水建設などのほかオリックス・キャピタルからの出資を受けていました。東京建築検査機構はオリックス・キャピタルの出資を認めたうえで、「出資比率は答えられない」としています。
地域住民とともに問題を追及してきた一級建築士、岡田清さん(53)は、「これでは公正な審査とはいえず、オリックスを優遇したところがあるのではと疑われても当然」と指摘。「検査機関の立場が住民よりも開発を行う企業側に寄っているというのが問題だ。民間がおかしな建築確認を出したとき、行政がしっかりチェックできるような体制が必要だ」と話しています。