2005年12月5日(月)「しんぶん赤旗」
温暖化防止 各地で行動
モントリオール 米の交渉妨害に抗議
【ワシントン=鎌塚由美】地球温暖化防止のための第一回京都議定書締約国会合(COP/MOP1)と気候変動枠組み条約第十一回締約国会議(COP11)が開かれているカナダのモントリオールで三日、各国に地球温暖化防止の取り組みを強めるよう求めるデモが行われました。参加者は、温暖化防止の交渉に背を向ける米国に交渉への参加を促しました。
現地からの報道によると、行進には約六千人が参加。会議の議長を務めるカナダのディオン環境相やペティグルー外相も加わりました。
参加者は、温暖化防止の国際交渉を妨害している米国に抗議。「残された時間はわずかだ」「アメリカよ、目を覚ませ」「世界(の努力)に加われ」などと書いたプラカードを掲げました。
今会議では、京都議定書の第一約束期間(二〇〇八―二〇一二年)後の次期枠組みの議論が開始されることが期待されています。しかし米国は、気候変動枠組み条約にはとどまっているものの、京都議定書から離脱、温暖化防止の議論に背を向けています。
米国のワトソン代理代表は、十一月二十九日の記者会見で、「議定書の締約国が議論を始めることは尊重するが、米国は、気候変動枠組み条約の具体化として議論することには反対である」と発言しました。
米国の環境団体「気候危機連合」は三日、モントリオールの米領事館に対し米国が温暖化対策で行動するよう求める署名を提出しました。署名数は、全米百九十都市からの六十万人分といいます。
同団体のテッド・グリック氏は、「私たちは政府に行動を求める米国市民を代表してやってきた。米国人の60%は政府に対して行動を求めている」と語りました。
デモの主催者によると、この日、米国を含む世界三十都市以上で行動が繰り広げられました。