2005年12月9日(金)「しんぶん赤旗」

米産牛肉

輸入再開 12日にも決定

反対多数の中 食品安全委答申受け


 内閣府食品安全委員会(寺田雅昭委員長)は八日、BSE(牛海綿状脳症)発生以来輸入停止している米国・カナダ産牛肉の危険性評価について、同委員会プリオン専門調査会がまとめた答申原案を了承し、農水省と厚生労働省に答申しました。両省は、この答申を受け、米政府との協議を経て十二日にも輸入再開への手続きを定める方針。食品安全委員会の意見公募や意見交換会では輸入再開反対の声が多数だっただけに、政府と食品安全委員会の姿勢があらためて問われています。

 答申は、原案どおり米国・カナダのデータに不明点が多いことなどを指摘して、BSEリスクの「科学的同等性の評価は困難」としています。その一方で、まだ実行されていない米国のBSE対策(危険部位除去や生後二十カ月齢以下の牛)の順守を仮定したうえで、日本との「リスクの差は非常に小さい」と評価しました。

 答申は、これらの条件が守られているかを確認するのは、農水、厚生労働両省の責任と明記。この前提条件が崩れれば、リスクの差は小さいという評価は成り立たないとしています。

 米政府は、現在、生後三十カ月齢以下の牛肉輸入再開へと要求をエスカレートしています。

 食品安全委員会の意見公募では、よせられた八千八百四十六件の意見のうち六割近くが輸入再開に反対や懸念を表明しましたが、プリオン専門調査会で審議もされず、答申となりました。


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