2005年12月9日(金)「しんぶん赤旗」
温暖化は地球的問題
背向ける米に批判
閣僚会合 「京都」後枠組みへ討議
【モントリオール(カナダ)=鎌塚由美】地球温暖化防止のための気候変動枠組み条約締約国会議(COP11)と京都議定書締約国会合(COP/MOP1)が共催する閣僚会合が七日、当地で始まりました。京都議定書から離脱した米国に対し、各国から批判や行動を促す発言が相次ぎました。
開会にあたり議長国カナダのマーティン首相が演説。温暖化問題について「地球的規模の対応が必要だ。しかし、それに抵抗し、緊急性を弱め、自分たちの問題ではないと宣言する声がある」と、名指しを避けながらも、米国を厳しく批判しました。「地球温暖化はみんなの問題であり、ともに取り組まなくてはならない」と述べると、出席者は立ち上がって拍手しました。
ノルウェーのビョルノイ環境相は、京都議定書後の枠組みについて「新たな約束を二〇〇八年までに行わなければならない。そのプロセスについてここで合意しなくてはならない」と強調。ドイツやアイスランドも次期枠組みの議論をする用意があると表明しました。
リトアニアのクンドロタス環境相は、次期枠組みにすべての国の参加を求め、「各国の政治的意思によって効果を生み出すことができる」と指摘しました。
各国の発言に対し、米国のドブリャンスキー国務次官は演説で、米国は独自に温暖化対策に取り組んでいると釈明。二国間、多国間での取り組みで気候変動枠組み条約の目標に向けて貢献していると語りました。
同次官はこの日、記者会見で、京都議定書後に関するカナダの決議案に難色を示しました。「われわれは、正式な議論によって前進できるとは思わない」と述べ、温暖化防止の交渉に背を向ける姿勢を崩しませんでした。