2005年12月14日(水)「しんぶん赤旗」
米軍の世界的な配備は?
〈問い〉 米軍は世界的な再編をすすめているようですが、海外駐留はいまどうなっていますか?(東京・一読者)
〈答え〉 世界の駐留米軍は表のとおりです。
欧州には1990年時点で約31万人の米兵がいましたが、15年間で約11万人へと3分の1に減りました。西半球では約2万人から1900人余に10分の1になっています。ところが、日本の駐留米兵数は90年比は1万1千人余減ですが、横須賀を本拠地とする第7艦隊の海上勤務要員を含めると在日米兵は5万1千人で、それほど減っていないばかりか、自衛隊との共同使用をすすめることで米軍に提供している基地面積は80年時の約2倍になっています。
現在、ブッシュ政権は「『世界規模のテロ』『大量破壊兵器』などの『新たな脅威』への対抗という名目で先制攻撃戦略をすすめ、最も効率的に軍事力を行使するために、地球的規模での米軍再編成をすすめてい」ます(第24回党大会決議案)。これには(1)世界のどこでも先制攻撃を迅速に展開できる機動的な軍隊と、(2)この戦争をともにたたかう同盟国との軍事協力をつくるという両面があり、後者には駐留国との摩擦の解消も含まれます。
日本には突出した役割が押し付けられる一方、欧州については、今後5年から10年のうちに現在の駐留陸軍6万2千人(うち駐独が5万8千人)を2万4千人にまでに削減をすすめる計画です。韓国も08年までに駐留米兵を2万5千人にまで削減し、現在41の米軍基地を17に統合して総面積を現在の3分の1に縮小することが昨年に最終合意され、日本と対照的な動きになっています。
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