2005年12月18日(日)「しんぶん赤旗」
気温上昇2度未満に
温暖化防止へNGO提起
京都でシンポ
京都議定書の次のステップとして、気温上昇を二度未満におさえるCO2(二酸化炭素)などの排出削減を――。十七日から「市民が進める温暖化防止2005」シンポジウムが京都市で始まり、環境NGOの気候ネットワーク(浅岡美恵代表)が目標を提起しました。
このシンポは、一九九七年の地球温暖化防止京都会議(COP3)後、同ネットワークが毎年開催しているものです。
九日までカナダ・モントリオールで開かれた第一回京都議定書締約国会合(COP/MOP1)は、二〇一二年までのCO2排出削減の次期目標について交渉にはいることを決定しました。
シンポでは、同締約国会合に参加したグリーンピース、気候ネットワークのスタッフらが発言。米国の妨害に抗して、次のステップへの道筋をつけ、京都議定書の運用ルールでも合意したことを報告しました。
気候ネットワークの平田仁子運営委員は、次期目標の枠組みについて、産業革命前のレベルからの気温上昇を二度未満におさえる削減目標が必要不可欠だと訴えました。
気候ネットワークは、今世紀末の気温上昇が二度以上になれば、グリーンランドの氷の融解にともなう数メートルの海面上昇や、異常気象などが起きて、壊滅的被害が避けられないと警鐘をならしています。二度未満の目標達成には、先進国は二〇五〇年代に一九九〇年の排出量の六―八割の削減が必要だという試算がでています。