2005年12月19日(月)「しんぶん赤旗」

耐震偽装関係企業

自公に献金1819万円

仲介・質問…問われる関係


 マンションなどの耐震強度偽装問題で、関係企業やその幹部から自民党、公明党への献金が明るみに出てきました。本紙の調べなどで十八日までに判明した政治献金は千八百十九万円。自民党ではとくに小泉首相の出身派閥、森派に多いのが特徴で、名前の出た政治家と企業との関係が問われています。


 倒壊の恐れのあるマンションの建築主、「ヒューザー」(小嶋進社長)は、二〇〇四年九月に伊藤公介元国土庁長官の政治資金集めのパーティー券を百万円、〇三年、〇四年には伊藤元長官が所属する総裁派閥の森派(清和政策研究会)のパーティー券を各百万円購入。小嶋社長は個人名義でも〇一年―〇三年に計四十八万円を伊藤元長官に献金しています。

 伊藤元長官は、耐震偽装問題が表面化する二日前の十一月十五日、国土交通省幹部に「友人が困っているんだ」と電話をかけ、小嶋氏を紹介していました。

 この席には、姉歯秀次元建築士が構造計算した千葉県白井市の「ラ・ベルドゥーレ白井」の建築主、「東日本住宅」の桃野直樹社長も同席。同社は〇四年、伊藤元長官と森派のパーティー券を六十万円ずつ購入しています。

 建築確認の際に強度偽装を見落とした民間の指定確認検査機関最大手、「日本ERI」の鈴木崇英社長は、〇四年四月に森派のパーティー券百万円を購入。同派幹部で森内閣の官房副長官を務めた上野公成前参院議員(旧建設省ОB)には同年七月、三百万円を献金しました。上野氏は確認検査業務の民間開放を決めた一九九八年の建築基準法「改正」の際、「規制緩和という点からも非常に評価されていいんじゃないか」(参院国土・環境委員会)と推進する発言をした人物です。

 鈴木社長が〇二年五月まで社長だったUG都市建築も、〇一年―〇三年に森派のパーティー券を各百万円、計三百万円分購入しました。

 同じく強度偽装を見落とした検査機関、「イーホームズ」の藤田東吾社長は、伊藤元長官が国土庁長官当時、秘書官を務めた元秘書の吉原修都議に、〇二―〇四年に計四百一万円を献金していました。

 姉歯氏に“鉄筋の量を減らせ”と圧力をかけた施工業者、木村建設は自民党政調副会長の園田博之衆院議員のパーティー券を〇二―〇四年とも四十万円、計百二十万円購入しています。

 一方、公明党は今回の偽装問題で、伊藤元長官より早い十一月上旬に山口那津男参院議員の秘書がヒューザーの小嶋社長を国交省側に仲介。

 藤井一都議が代表を務める同党大田総支部が〇三年四月、小嶋社長から十万円の献金を受けています。

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