2005年12月20日(火)「しんぶん赤旗」
障害者「自立支援」法
「支援難しく」55%
日弁連 地域センター調査
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来年四月に施行する障害者「自立支援」法について、障害者が地域で暮らすための支援をしている地域生活支援センターの過半数が、同法の成立で「支援が難しくなる」と答えていることが、日本弁護士連合会(日弁連)のアンケート調査でわかりました。
同アンケート調査は、「当事者主権」の視点から、真の地域生活の実現のために何が必要かを検討するとして、障害のある人の支援センターを対象に、今年の四月から五月に行われたものです。地域生活支援センターへのアンケート送付は千百六十九で、そのうち六百四十四から回答がありました。
障害者「自立支援」法で、「在宅での自立生活を支援することは、前進するか」との問いに、54・9%が「かえって支援が難しくなる」と答え、「より支援しやすくなる」(5・2%)、「とくに変わりはない」(6・3%)を大きく上回りました。支援が難しくなる理由として、「所得保障がないままに応益負担が導入されると、低所得層を中心にサービス利用が後退する」「障害程度区分によってサービス利用が制限される」「財源不足が先にあり、利用者の声が反映されていないこと」などがあげられました。
「地域生活を続けるために不足している支援」についての問いには、所得保障(41・1%)、住宅確保(39・3%)、就労支援(38・1%)などがあげられ、これに、当事者の自立生活の支援(34・1%)、生活を支援するサービス(30・7%)などが続いています。
アンケートのとりまとめにあたった伊藤香弁護士は「応益負担の導入や利用者の負担増大によるサービス利用の抑制などで支援が難しくなるという懸念がはっきりした。『自立支援』法は、障がいのある人が地域で自立して生活していくことを妨げる方向にいきかねないことを、国はよく認識してほしい」と話しています。
アンケート等の報告書(二千円)についての問い合わせ先は日弁連人権第二課03(3580)9841。