2005年12月24日(土)「しんぶん赤旗」
耐震偽装
ヒューザー小嶋社長喚問
政治家との関係解明を
マンション等の耐震強度偽装問題で、自民、公明両党は、野党側が求めたヒューザーの小嶋進社長に対する証人喚問を拒否していましたが、二十二日夜になってようやく受け入れを表明。しかし、自民党の伊藤公介元国土庁長官ら四人の参考人招致については依然拒否しています。耐震偽装問題で政治の責任で何を解明しなければならないのでしょうか。
ヒューザーは耐震強度偽装マンションを販売した会社です。小嶋社長が姉歯秀次元一級建築士の偽装をいつ知ったのか、関与はなかったのかなど、施工側と販売側の“ぐるみ”の疑惑解明が急がれます。
二十一日の衆院国土交通委員会では、ヒューザーが、構造計算書の偽造を把握したとする十月二十五日以降も、二物件三戸の売買契約を結び、三物件十九戸を引き渡したことが明らかになりました。重要な事実を告知しなければならないとした宅地建物取引業法に違反する疑いが指摘されています。
小嶋社長は「日経」インタビュー(二十二日付)で、偽装の指摘がされた後に、引き渡しや売買契約を結んだことを認め、「(偽造の)対象物件とは考えなかった」とのべています。
ヒューザーと政治家との関係の解明も不可欠です。伊藤元国土庁長官は、耐震強度偽装問題が公表される前に、国土交通省幹部に小嶋社長らを紹介したことが発覚。昨年九月の政治資金パーティーでは、ヒューザーに百万円分のパーティー券を購入してもらっています。今年もパーティーを予定し、発起人には小嶋社長が名を連ねていましたが、事件発覚で中止。伊藤氏と同社の親密な関係がとりざたされています。
自民党森派も、ヒューザーからパーティー券代として、二〇〇三年、〇四年にそれぞれ百万円を受け取り、今月になって返還しています。
公明党の山口那津男参院議員の秘書が、国交省が事件を公表する前に、小嶋社長を国交省側に仲介していたことも判明しています。
建築確認を、利潤を追求する民間まかせにした規制緩和、建築基準法改悪の流れのなかで起こった今回の事件だけに、全体像を明らかにして、問題点を徹底的に明らかにすることが再発防止の上で、何より不可欠です。
日本共産党の穀田恵二議員は、二十一日の衆院国土交通委員会理事会で証人喚問の実施を強く求めました。次期通常国会を待たず、早期に実施すべきです。(小林俊哉)