2006年1月13日(金)「しんぶん赤旗」
966郵便局の集配廃止
07年民営化へ 公社が再編検討
大半が過疎地
日本郵政公社が、郵便物の収集・区分と配達の業務を独自に行う集配郵便局を都市部の局に集約する再編案を検討していることが、十二日までに分かりました。同公社が二〇〇七年の郵政民営化に向け進める人員削減・「合理化」策の一環。全国の過疎地を中心に九百六十六局が集配業務を廃止し、窓口業務だけを行う無集配局になります。
配達区域が広がることによる配達の遅れや、地域で高齢者に声をかけながら集荷する地域密着のサービスに支障が出ることは必至で、国民サービスの低下が心配されます。
全国で再編の対象となるのは約二万四千六百七十の郵便局のうち、郵便局独自の集配業務を行っている普通局と特定局合わせて四千七百五局です。このうち千八十八局を地域の拠点局となる「統括センター」に、二千六百五十一局を統括センターのもとに設置される「前送施設」とし、残り九百六十六局の集配業務を近隣局に集約するというもの。
集配業務がなくなる局を地方別に見ると、最も多いのが中国地方で百六十五局。以下、北海道百四十一、東北百八、九州九十八、近畿九十五、信越九十五などで、大半が過疎地の郵便局です。切手販売や郵便受け付け、貯金、保険などの窓口業務のみを行うことになります。
同公社は「分社化に伴い効率的に集配業務を行うための対応であり、郵便局の廃止を前提にしたものではない。サービスの低下にならないように、職員、地方の声を聞いて納得も得ながら計画を進めていく」と説明しています。
■郵便網の水準切り下げに
●日本共産党の吉川春子参院議員の話 今回の再編案は、郵便集配局を不採算の過疎地を中心に再編「合理化」しようとするものです。
私は、郵政民営化によって利潤追求が優先され、採算のとれない過疎地の郵便局が切り捨てられることを指摘してきました。再編案はその方向に足を踏み出し、過疎地をはじめ郵便ネットワークの水準を切り下げるものです。
郵政事業ではすでに、非常勤職員の増大や民間委託が進行しています。この再編案によって、労働者の大幅な配置転換と労働条件の悪化をもたらすことが危惧(きぐ)されます。