2006年1月13日(金)「しんぶん赤旗」
イラク駐留米軍
“無神経で独り善がり”
英軍幹部が批判
米紙ワシントン・ポスト十一日付(電子版)によると、米軍とともにイラク軍訓練計画の副司令官を務めた英軍のエイルウィンフォスター准将は今週発行の米軍誌『ミリタリー・レビュー』掲載のエッセーで、イラク駐留米軍の「文化的無神経さ」「道徳的独り善がり」を厳しく批判しました。
同准将は、米軍将校の文化的無神経さは「制度的人種主義に匹敵すると言ってよく」、これが武装抵抗拡大の要因ともなり、「住民の重要部分を離反させ、直面する任務を困難にしている」と指摘しています。
米軍は官僚主義と息苦しいほどの階級制度にゆがめられ、攻撃作戦に偏る傾向があると述べ、「性急な解決策が悪い結果をもたらすことがしばしばだ」と指摘。米軍には忍耐と文化的理解、部隊の展開は最小限にとどめることが求められているとしています。
さらに、米軍の「やる気になればできる」精神が「有害な楽観主義」を生み、イラク情勢の現実的評価を妨げており、「下級司令官が不都合なニュースを報告しなくなる」恐れがあることを批判しました。
『ミリタリー・レビュー』誌は、イラク戦争の「広範な自己検討」を進めており、これまでも批判的主張を扱っています。しかしこれほど厳しい批判は初めてで、最も近い同盟国、英国の軍幹部から出たことに注目が集まっています。