2006年1月18日(水)「しんぶん赤旗」

教職員は優遇されすぎか?(上)


 〈問い〉 先生の数が多すぎるとか、給与が高いといった攻撃をどう考えますか?(東京・一読者)

 〈答え〉 経済財政諮問会議などで、教職員の数を減らせという議論の中身は、「子どもの数が減っているのに先生の数がふえることはありえない」「この間、先生の数をふやしても学力は低下したではないか」といった、粗雑きわまりないものです。しかし、日本の教職員の数は多いどころか、少なすぎるのです。

 日本の教育予算は国際的に水準が低く(表)、日本の教職員の数も諸外国に比べ随分と低いものです。教員一人当たり生徒数は、就学前18人、初等19・9人、前期中等15・7人、後期中等13・5人で、いずれもOECD各国平均(各14・4人、16・5人、14・3人、13人)を上回っています。(表は明日付で)

 学力世界一で注目を集めるフィンランドとくらべると、教員配置は、小学校で60%、中学校で65%にすぎません。加えて日本では、フィンランドとは正反対に、教員の自主性、自由が抑圧されています。

 何より考えなければいけないのは、子どもたちの状況です。

 過度の「競争と管理」の教育制度、日常生活への情報・消費文化の浸透、暴力むきだしの映像文化、弱肉強食の風潮、長時間労働や不況による家庭の困難などで、子どもたちはさまざまな生きづらさをかかえています。勉強が遅れがち、人間関係を結ぶことが苦手、LD(学習障害)やADHD(注意欠陥・多動性障害)、高機能自閉症などの軽度発達障害、虐待をうけている、など特別な支援を必要とする子どももふえています。

 こうした子どもを一人ひとり、ていねいに育てようと思えば、40人学級を欧米なみの学級規模にひき下げたり、特別な必要性のある子どもたちへの指導を手厚くしたりするために教職員の増員こそが切実に求められます。(喜)




グラフ

〔2006・1・18(水)〕

(給与攻撃については19日付で)


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