2006年1月20日(金)「しんぶん赤旗」

耐震偽装・参考人質疑

公表前に偽装認識

小嶋社長「公表待て」と圧力

元請会社社長証言


 耐震偽装事件で衆院国土交通委員会は十九日、偽装ホテルの元請け設計会社「スペースワン」の井上正一社長ら四人の参考人質疑をおこないました。同社長は国土交通省が偽装問題公表前の昨年十月のヒューザー社での会議の段階で参加者が「(耐震偽装との)認識を持っていた」と認めたうえ、その二日後の会議でヒューザーの小嶋進社長が民間検査機関に「公表を待ってほしい」と圧力をかけていたことを明らかにしました。


 参考人質疑には井上社長のほか、偽装ホテルの開業やコストダウンを指示したコンサルタント会社「総合経営研究所」(総研)の四ケ所猛チーフコンサルタント、木村建設の建設部門である平成設計の山口時也代表、徳永豊建築士が出席。

 日本共産党の吉井英勝議員は昨年の十月二十五日、偽装を確信したアトラス設計の渡辺朋幸社長の指摘を受け、イーホームズ本社でヒューザーの常務や井上社長、姉歯秀次元建築士など十一人が集まった会議について追及しました。

 井上社長は会議後、ヒューザー本社に向かう車の中で姉歯氏が「どうせわかってしまう」と偽装を認めたと証言。二日後の会議では同席した小嶋社長を含め「(偽装という認識は)あったということでいいと思います」とのべ、小嶋社長らが国交省が公表する二十日以上も前に偽装の認識を持っていたことが浮かび上がってきました。

 吉井氏は、井上社長が同会議で「報告の時期を変えてほしい。他の検査機関に確認をおろしてもらうことができる」と発言したことについて「小嶋社長とあなたのとってきた態度は同じ。被害住民からすれば万死に値する」とただしました。

 質疑の中で井上社長は昨年十月の会議後、イーホームズが問題の公表を求めたことにたいし、小嶋社長が「曲げてでも検査済み証をおろしてほしい」との発言をしたと証言。また、姉歯氏の名前は挙げなかったものの、「木村建設に優秀な構造設計士がいるから使うように小嶋社長からいわれた」ことも明らかにしました。

 一方、〇四年三月に港区・赤羽橋のマンション建設をめぐって、構造計算に問題があるとして渡辺社長らが集まった会議について、総研の四ケ所氏は「偽装問題を打ち合わせしたという理解はない」と否定しました。

 徳永氏は「総研には絶対服従で、いいなりになっている意味合いを感じた」とのべ、山口氏も営業活動が総研頼みだった実態を認め、平成設計を「総研の設計部」と表現しました。


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