2006年1月21日(土)「しんぶん赤旗」
「中国は過去にこだわるな」
外交演説 麻生外相が開き直り
麻生太郎外相は二十日午後の衆参両院の本会議で、外交演説を行いました。外相は、小泉純一郎首相が繰り返した靖国神社参拝で行き詰まった日中関係について、「過去の問題にこだわりすぎることなく、冷静に大局を見すえ、ともに成熟した友人として切磋琢磨(せっさたくま)する関係を」と、中国に呼びかけました。
麻生外相は「中国の人々の過去を巡る心情を重く受け止める」とはのべたものの、過去の日本の侵略戦争を正当化する靖国神社への首相参拝が招いた日中関係の悪化にもかかわらず、中国に対して「過去の問題はこだわるな」と開き直った形です。
日米関係については「わが国外交にとっての要」と位置付け、地球規模で米軍とともに自衛隊が海外派兵できる態勢づくりを意味する「世界の中の日米同盟」路線について「強化していく」と強調しました。
昨年一月の外交演説(町村信孝外相=当時)では力を入れたものの、世界各国から支持を得られず失敗した日本の安保理常任理事国入り問題については、「常任理事国となる道は険しい」とのべました。