2006年1月25日(水)「しんぶん赤旗」
自民幹部 苦しい弁明
追及され捨てぜりふ
堀江容疑者逮捕
ライブドア前社長の堀江貴文容疑者逮捕から一夜明けた二十四日、閣僚や自民党幹部からは昨年の総選挙で同容疑者を持ち上げたことについて苦しい弁明が相次ぐなど、政府・自民党に衝撃を与えています。
広島6区入りし、堀江容疑者を「わが弟、息子だ」とまで持ち上げた自民党の武部勤幹事長は同日午前の記者会見で、「私はどんな若者にも父親のような気持ちで接している」と弁明。同容疑者の出馬会見を党本部で行い、広告塔として利用したのではないかと追及されると、「そのこととは全く別問題」と居直りました。「私個人としては謙虚に反省すべきは反省しなければならんと思っている」とのべたものの、「党としては公認も推薦もしていない」と責任回避に終始しました。
総務会でも、加藤紘一元幹事長から「カネですべてが片付くという人物を応援したのはいかがか。判断は誤っていたと率直に認めたほうがいいのではないか」と指摘を受けると、武部氏はいったんは「今後、戒めていくのでご理解いただきたい」と神妙に応じました。
しかし、武部氏は加藤氏が政治資金疑惑で議員辞職した過去を蒸し返し、「(加藤)先生は一番、政治とカネの問題では苦労したんじゃないですか」と捨てぜりふをはきました。
一方、閣僚で堀江容疑者を応援し、「小泉首相、ホリエモン、私がスクラムを組みます」(八月三十日)とのべていた竹中平蔵総務相はどうか。同日午前の記者会見では、「党の要請で応援に赴いた」としたうえで、支援によって「(堀江氏に)『政府保証』を与えたとは全く考えていない」と発言。「今回の問題と小泉構造改革を直接結びつけるのは誤りだ」などと開き直りました。
しかし、閣僚からは「道義的にはよくないことだった」(中川昭一農水相)「(逮捕が)見通せなかったことは残念だ」(二階俊博経済産業相)などの発言も。総務局長として総選挙を実務面で取り仕切った二階氏は「党として要請して(応援に)行っていただいたことはない」とのべ、竹中氏と食い違いをみせました。