2006年1月26日(木)「しんぶん赤旗」
支えあい社会壊す小泉「改革」
不安定・低賃金の労働者激増
安定雇用は政府の責任
市田書記局長が代表質問
日本共産党の市田忠義書記局長は二十五日、参院本会議で代表質問にたち、内政、外交ともゆきづまっている小泉政治の転換を迫りました。
■参院本会議
■首相の靖国参拝批判
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靖国神社への参拝を「心の問題」といい、「(批判は)理解できない」と突っぱねる小泉純一郎首相に市田氏は、「問われているのは参拝の政治的意味だ」とただしました。
侵略戦争への反省を土台とした戦後国際秩序に真っ向から反して連続参拝する異常さが、ブッシュ大統領を含め米国からさえ批判・懸念を呼んでいると指摘。「それが理解できないなら、国際政治に参加する資格すら問われる」と批判しました。小泉首相は「批判しているのは中国と韓国だけ」などと事実に目を閉ざしました。
「『不安に満ちたモラルなき社会、ルールなき社会』になったというのが多くの国民の実感です」――市田氏は、小泉「構造改革」がもたらしたゆがみの象徴として、ライブドア事件、耐震強度偽装事件を取り上げました。「人間を動かすのはお金」と豪語するライブドアの堀江貴文容疑者を持ち上げ、選挙で支援して国政にまで関与させようとした自民党と小泉首相の責任を追及。首相は「選挙での応援と事件は別の問題」と自らの責任を棚上げしました。
市田氏は、労働法制の規制緩和で正社員の道を奪われ、不安定、低賃金、劣悪な労働条件で苦しむ労働者の激増を指摘。「いまこそ規制緩和万能路線を脱して、すべての人が人間として正当に扱われる安定した雇用を作り出すために、政府が先頭に立つ」ことを強く求めました。
市田氏は、小泉「改革」が、人間がともに支えあう社会のありようを否定していると告発。「人間らしい暮らしの基盤を破壊する攻撃に対して、社会的連帯と社会的反撃をもってこたえるたたかいの先頭にたって奮闘します」と結びました。
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■金融・業界・国も補償を
■耐震偽装 被害者救済策を提案
■市田書記局長
耐震強度偽装問題で、市田忠義書記局長は、被害者救済と再発防止のための措置を示し、その実行を小泉首相に迫りました。
市田氏は、被害者救済策について、偽装マンションを担保に「住宅ローンを貸しつけた金融機関、ゼネコン、デベロッパーなど不動産業界などの負担と協力」で被害住民の負担を軽減し、「不足する費用は政府が補償する」などの措置が「ただちに講じられるべきだ」と求めました。
また、再発防止策として、「民間任せの検査・確認体制」をやめ、「行政が責任を負える」仕組みにすることなどを強調しました。
偽装されたマンション「グランドステージ稲城」=東京・稲城市=に住んでいた女性(50)は、転居先でテレビ中継を見て「市田さんは、よく現状の問題点を指摘してくれました。いまの国の『支援』では、生活がどうなるのか先が見えません。国にも補償を求めたのは『その通り』との思いです」と語りました。