2006年1月28日(土)「しんぶん赤旗」
議員年金「廃止」与党案を可決
特権的受給の道残す
共産党は反対
衆院議院運営委員会は二十七日、自公与党と民主党がそれぞれ提出した議員年金「廃止」法案の質疑、採決を行い、与党案を自公両党の賛成多数で可決しました。日本共産党は自公、民主両案に反対しました。
日本共産党の穀田恵二国対委員長は採決に先立つ意見表明で「現職議員が特権的な年金を受給する道を残すべきでなく、議員OBにも合理的で国民の理解が得られるような受給削減をとるべきだと主張してきた」とのべました。
その上で、与党案、民主党案のいずれも現職議員が現行の特権的な議員年金を受給できる道を残しているとし、「短時間の質疑と採決で決着させられようとしていることは遺憾だ」と表明しました。
■衆院議運委での穀田国対委員長発言(大要)
日本共産党の穀田恵二国対委員長が二十七日の衆院議院運営委員会で、議員年金「廃止」法案の質疑にあたり意見表明した発言(大要)は次の通りです。
日本共産党は国会議員互助年金制度について、国民からみて特権的な制度を抜本的にただすため、国庫負担を廃止し、本来の互助制度にすることを提案してきました。各党協議ではこの提案を基本にしつつ、制度の廃止もふくめて、特権的な制度の見直しをつよく主張してきたところです。
昨年十月、各党が「現行制度の廃止」で一致したもとで、わが党はこのことを評価しつつ、(1)「現行制度の廃止」というなら現職議員が特権的な年金を受給する道を残すべきではないこと(2)議員OBについても合理的かつ国民の理解が得られるような受給削減をとるべきこと―を主張してきました。
ところが与党案は、在職十年以上の現職議員について、(1)現行法による年金(金額は15%削減)の支給と(2)納付金総額の八割の退職一時金の支給―のどちらかを選択できることとしています。
民主党案も在職十年以上の現職議員について「納付金総額の50%の精算金を支給」としながら、「一旦落選して年金受給者になった後、再度当選した議員」については、現行法による年金受給(金額は30%削減)ができるとしています。
与党案、民主党案のいずれも「現行制度の廃止」といいながら、現職議員にたいして現行の特権的な議員互助年金を受給できる道を残しています。これでは国会議員にたいする特権の撤廃をもとめる国民の理解は得られません。よって、わが党は両法案ともに賛成できません。
さらに、国会議員互助年金制度の廃止という重要な問題が、十分な議論がつくされないまま、与党と民主党がそれぞれ法案を提出し、短時間の質疑・採決で決着させられようとしていることは、きわめて遺憾であることを表明します。