2006年1月28日(土)「しんぶん赤旗」
葬儀や初詣でを党はどう考えますか?
〈問い〉 科学的社会主義は唯物論の立場にあると思いますが、唯物論は神仏の存在を認めない立場ですから人間の死をめぐる行事について独自の考え方をするのではないかと思います。そこで、質問ですが、日本共産党は死者を送る葬儀についてどのように考えますか? 線香を手向け献花をすることは何にたいして何を考えておこなうことになるのでしょうか? 初詣でなどの風習がありますが、これもどうお考えですか?(神奈川・一読者)
〈答え〉 日本共産党規約第2条は「党は、科学的社会主義を理論的な基礎とする」と規定しています。これは、日本改革の事業をすすめるために科学的社会主義の理論を羅針盤にするという意味で、その理論と世界観を全党員が身につけることを重視しています。同時に、日本共産党は哲学団体ではなく政治組織ですから、政治上の一致を中心にむすばれています。日本共産党の綱領と規約を承認して活動する意思をもつ18歳以上の日本国民であれば、宗教者も入党できます。
この党規約を決めた日本共産党第22回大会では、宗教者党員が代議員として出席し、「全国の宗教者党員は、もちろん唯物論者ではありません。しかしながら、みずからの宗教的信念と日本共産党のめざしている方向、綱領路線をぴたりと重ね合わせて、党活動に参加しています」と発言しています。
日本共産党綱領は「信教の自由を擁護し、政教分離の原則の徹底をはかる」と明記しています。この立場は、日本社会の発展のあらゆる段階で、日本共産党がめざす社会主義・共産主義の未来社会においても貫かれます。当然ですが、これは日本共産党員一人ひとりにおいても尊重されています。
日本共産党は、人間の死は厳粛なことであり追悼することも自然なことと考えます。したがって死をめぐる行事も尊重しますが、その形式などは各人の自由とみなしています。
焼香や献花をすることも、それにどういう意味を込めるかも、遺族や参列者の自由にゆだねられるべきと考えます。党員の葬儀が寺院や教会でおこなわれることも少なくありません。日本共産党中央委員会には常任活動家の墓があり、毎年の合葬式では遺族がそれぞれの思いで自由に参列できるように配慮しています。
初詣でも、どのような思いで神社仏閣に行こうと、または行かないことも、それは個人の内心の自由に属する事柄であり、尊重されるべきと考えます。(平)
〔2006・1・28(土)〕