2006年2月2日(木)「しんぶん赤旗」

反対決議の阻止指示

米軍再編で防衛施設庁

現場にメール 「地方議会ウォッチして」

参院予算委 井上議員が追及


 在日米軍再編に全国で反対の声が渦巻く中、防衛施設庁が関係自治体との「調整」にあたる現場責任者に、地方議会の動きを監視し、反対意見書の採択を阻止するよう電子メールで指示していたことが一日、分かりました。同日の参院予算委員会で、日本共産党の井上哲士議員が明らかにしました。


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(写真)質問する井上哲士議員=1日、参院予算委

 井上氏が示したのは、再編問題で自治体との「調整」を進める防衛施設庁地元調整実施本部の事務局総括班長が送信したメール(昨年十二月十三日付)です。あて先は、仙台、東京、横浜、大阪、広島、福岡、那覇の各防衛施設局の施設部長を含む十五人です。

 日本共産党の志位和夫委員長あてにコピーが届けられました。

 総括班長はメールの中で「地元議会が、…(米軍再編に関し)反対の意見書を議決しそうな動きがあるか否かについて常にウォッチしていただき…速やかに本庁担当窓口にお知らせ願いたい」「そのような議決をしないよう関係者の理解を求める動きをして欲しい」と指示しています。

 上層部の「指導」に基づくことも示唆する「地元の小さな動きに対しても敏感に対応して欲しいとの、御指導もございます」との記述もあります。

 額賀福志郎防衛庁長官は「私は(メールの)文言は見ていない」とし、「どういうメールか調べてみたい」と調査を約束。一方、「地元の理解を得るための一環としてさまざまな行動を行っている」と述べました。

 井上氏は「官製談合などを繰り返しながら、自治体の自由な意見表明に圧力をかけるやり方で、日本を地球規模での先制攻撃の拠点にする(在日米軍)再編の強行は絶対に許されない」と述べました。

 ▼地元調整実施本部 在日米軍再編計画について、自治体と「調整」を図ることを任務として、防衛施設庁が昨年十一月に設置。本庁と各防衛施設局に本部を置き、施設部長をチーム長とする作業チームを設けました。昨年十二月十五日、中央では防衛庁と一体の別組織に衣替えし、各施設局では同名称で組織が継続しています。


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