2006年2月2日(木)「しんぶん赤旗」
反戦団体が対抗集会
ブッシュ大統領演説を批判
【ワシントン=鎌塚由美】「平和のための戦死者家族の会」(GSFP)と女性反戦団体「コード・ピンク」は一月三十一日、ワシントンで「国民の一般教書」と題する集会と記者会見を開きました。ブッシュ大統領の一般教書演説に対抗するもので、全米各地の反戦活動家らが参加しました。
イラク戦争で息子を亡くし反戦活動を始めたシンディ・シーハンさんは、国民の60%以上がイラク戦争は間違いだと考え、撤退を求めていることを紹介。「ブッシュ大統領が本当に民主主義を信じているのなら、イラクから米軍を撤兵させるべきだ」と語り、「ブッシュ政権のテロリズムをやめさせよう」と強調しました。
イラク戦争に反対し米国務省を辞任した元外交官のアン・ライトさんは「一般教書演説では、弾丸ではなく言葉の外交政策が語られなくてはならない。ならず者国家を力で押し付ける外交政策をやめなければ他国からの信頼は取り戻せない」と訴えました。
政策研究所(IPS)のジョン・カバナス所長は、イラク戦争にはこれまで、二千五百十億ドル(約二十九兆三千七百八十七億円)がつぎ込まれ、戦争を継続させることで、将来的に一兆三千億ドルが国民負担となることを指摘。国民生活に重くのしかかる「戦争の代価」に言及しないブッシュ政権を批判しました。