2006年2月3日(金)「しんぶん赤旗」
小泉内閣は政治モラルもない
志位委員長が会見
日本共産党の志位和夫委員長は二日、国会内で記者会見し、通常国会序盤の論戦の特徴について、(1)小泉「改革」の“粉飾”“偽装”が明らかになるとともに、(2)そのもとで政治モラルも持ち合わせない小泉内閣の深刻な実態が示されている――と批判しました。
志位氏は、耐震強度偽装事件、ライブドア事件、格差社会と貧困の広がり、BSE(牛海綿状脳症)対策の無責任さ、防衛施設庁の官製談合事件などをめぐる論戦を通じ、「小泉『改革』は、一方で規制緩和万能路線をおしつけ、さまざまな害悪が噴き出している。その一方で、腐敗の温床にはメスを入れないまま温存している。そういうまがいものの『改革』だったことがはっきりした」と指摘。「小泉『改革』の“粉飾”と“偽装”がはがれ落ちてみると、あとに残るものはなにもない。中身は空っぽだ」とのべました。
さらに志位氏は、「こうしたもとでこの内閣が、批判にたいして居直りでこたえているのが特徴だ。まともな政治モラルをまったくもちあわせていない」とのべました。
小泉純一郎首相が、社会格差と貧困の広がりの問題で「格差が出るのは悪いこととは思わない」と平然とのべたことをあげ、「これを言ってしまったら、おしまいだ。なんのために政治はあるのかということになる。格差が拡大したら、それを是正するのが政治の役割のはずだ」と批判。
靖国神社参拝問題で、首相が「(中国、韓国に)同調する日本人が大勢いる。これも理解できない」と発言したことについても、「問題の核心は、靖国神社が侵略戦争を正当化する歴史観、戦争観に立っていることであり、そうした神社に首相が参拝することへの批判は、日本国民自身の主体的判断の問題だ。批判する者は中国、韓国の手先だといわんばかりの発言は許せるものではない」とのべました。
さらに、天皇の靖国参拝まで求めた麻生太郎外相の発言は、首相の参拝を、三権の長と全閣僚、さらに天皇も加わった一大国家行事に発展させて、靖国史観を国論にしようという“靖国”派の野望を代弁したもので、「そうした発言を外相がするというのは、およそ政治的分別をわきまえないものだ」と厳しく指摘しました。
志位氏は、「この内閣は、言っていいことと悪いことの区別もつかなくなっている。政治モラルをもちあわせていないというところまで事態は深刻になっている」と批判するとともに、「国民の立場で小泉政治と対決し、建設的な打開策をしめす論戦をすすめていきたい」と決意をのべました。