2006年2月8日(水)「しんぶん赤旗」
自衛隊基地も高落札率
発注工事で佐々木議員 95%以上が7割
日本共産党の佐々木憲昭議員は七日の衆院予算委員会で、防衛施設庁の官製談合事件をとりあげ、同庁が発注した自衛隊基地の工事でも落札率が異常に高いことを告発しました。
佐々木氏は、防衛施設庁が発注予定業者を決めた配分表をつくり、OBの天下りの受け入れが多いか少ないかという実績に従って、各社に工事を割り振っていた今回の事件の手口をあげ、官製談合の温床になっている高級官僚による天下りの問題点を指摘しました。
その上で、パネルで示したのが「自衛隊基地における1億円以上工事契約(二〇〇四年度)落札率の分布」のグラフ(図参照)です。落札率とは、予定価格に占める落札額の割合のことです。
すでに米軍基地での工事の落札率が異常に高いことが判明していますが、自衛隊基地の工事でも、落札率95%以上が約七割に達しています。落札率90%以上になると、約九割にも及びます。
佐々木氏は、公正取引委員会の調査によると、一九九六年から二〇〇三年三月の間の入札談合で、排除勧告や課徴金の納付命令が出されたケースでは、落札価格が平均で18・6%下がっていることを指摘。「談合で約二割も価格がつり上げられていたことになる」と指摘しました。
その上で、落札率で95%を超えるのは、それだけでも談合の疑いがあり、逮捕された前技術審議官も「全国の建設・土木工事で官製談合が行われていた」と供述していることを示し、「米軍も自衛隊も、洗いざらい調査し、すべての結果を報告せよ」と求めました。
額賀福志郎防衛庁長官は「再発防止のためにどういう対応していくか。そういう目的に沿って公表し、議論したい」とのべ、調査と報告を約束しました。