2006年2月8日(水)「しんぶん赤旗」

7区間に税金投入

新直轄方式 第二名神は“先送り”

高速道路


 高速道路の建設を審議する国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議、国土交通相の諮問機関)は七日、国と地方の税金を投入して道路建設をする新直轄方式の適用区間として、山梨県の中部横断自動車道・富沢―六郷間(二十八キロ)など七区間百二十三キロを追加指定しました。

 また株式会社に移行した東日本、中日本、西日本の各高速道路会社が整備する千百五十三キロの区間も確定しました。

 今回の会議は昨年十月に道路公団を民営化してから初めての開催です。「民営化」以降も、国が決めた高速道路整備計画(九千三百四十二キロ)をそのまま踏襲し、道路建設を推進する姿勢をあらためて打ち出しました。

 国交省は会議のなかで、採算面から「抜本的見直し区間」としていた五区間百四十三キロのうち、第二名神自動車道の二区間(三十五キロ)については、別の道路の交通状況などを見て「改めて事業の着工について判断することとし、それまで着工しない」と報告しました。ほかの三区間については、北海道縦貫道の二区間のうち四十キロについてのみ新直轄方式で着工する方針を示しました。

 「第二名神の判断先送り」について、北側一雄国交相は会議後記者団にたいし、「整備区間から落としたわけでない」とのべ、「凍結」ではないことを強調しました。


 ▼国幹会議 高速道路の基本計画や整備計画を決定する、国土交通相の諮問機関。首相が会長を務めた旧国土開発幹線自動車道建設審議会(国幹審)が二○○一年一月の省庁再編で衣替えしたものです。現行の整備計画(九千三百四十二キロ)を決めた一九九九年以降、○三年十二月に一回だけ開かれました。

 現メンバーは自民、民主の国会議員十人と奥田碩日本経団連会長ら民間人など十人。


■新直轄方式に切り替わる区間

 【北海道】北海道縦貫自動車道 七飯―大沼(10キロ)

 【山形県】東北中央自動車道 東根―尾花沢(23キロ)

 【新潟県】日本海沿岸東北自動車道 荒川―朝日(20キロ)

 【山梨県】中部横断自動車道 富沢―六郷(28キロ)

 【和歌山県】近畿自動車道紀勢線 田辺―白浜(14キロ)

 【徳島県】四国横断自動車道 小松島―徳島東(8キロ)

 【大分県】東九州自動車道 佐伯―蒲江(20キロ)

■着工の判断を見送った区間

 【北海道縦貫自動車道】

 ▽北海道士別市―名寄市(12キロ)

 【北海道横断自動車道】

 ▽北海道陸別町―北見市(51キロ)

 【近畿自動車道(第2名神高速道路)】

 ▽大津市―京都府城陽市(25キロ)

 ▽京都府八幡市―大阪府高槻市(10キロ)

 【中国横断自動車道】

 ▽鳥取県米子市―米子市(5キロ)


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