2006年2月8日(水)「しんぶん赤旗」
靖国参拝
首相、歴史認識を「感情」にすりかえ
七日の衆院予算委員会で小泉純一郎首相は、「靖国参拝をしなければ首脳外交に応じるという方が異常だ」と改めて中国、韓国側を非難しました。民主党の岡田克也前代表への答弁。
また「この施設には行くなとかいう外国の首脳はどこにもいない。中韓首脳のいう通り靖国参拝しないで首脳会談しようといえばおそらく相手は喜ぶ。それで日本の外交いいんでしょうか。ある時期、日本の首相としていうべきことはいう時期が中国、韓国との間であってもいい」と強硬姿勢を強調してみせました。
首相は靖国神社の本質を意図的に外して「この施設」と一般的な建物のようにごまかしていますが、靖国神社の遊就館は日本の侵略戦争を「自存自衛」「アジア解放」の正しい戦争だと正当化、宣伝する軍事博物館です。靖国神社への参拝を続ける限り、植民地支配と侵略戦争正当化の立場に政府がお墨付きを与えることになります。
日本がおこなった戦争が犯罪的な侵略戦争であったという認識は、戦後の国際秩序の土台です。相手国が「喜ぶ」かどうかという感情の問題ではなく、この土台を否定するかどうかが問われているのです。中韓を含めたアジア諸国に日本として「いうべきこと」とは、相手国を「異常」と決めつけるのでなく、参拝中止という行動とともに植民地支配と侵略戦争への反省を示すことです。