2006年2月8日(水)「しんぶん赤旗」
施設庁談合 疑惑企業
自民に4億1100万円
02〜04年 大手ゼネコンなど16社
防衛施設庁発注の談合事件で、談合にかかわったとされる大手ゼネコンや空調設備会社が二〇〇二年から〇四年までの三年間に自民党の政治資金団体に約四億一千百万円を献金していることが七日までに分かりました。官製談合を生みだしている政官財の癒着構造があらためて浮き彫りになりました。
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本紙が調査したのは、談合事件にからんで東京地検特捜部の強制捜査を受けたり、談合への関与が指摘されている企業の献金。
政治資金収支報告書によると、自民党の政治資金団体「国民政治協会(国政協)」に献金していたのは、大手ゼネコン十三社と、空調設備会社三社です(表参照)。
東京・六本木から移転した防衛庁本庁舎(東京・市ケ谷本村町)の建設工事を受注した清水建設が約五千三百万円、米軍岩国基地の滑走路移転にともなう埋め立て工事を受注した大林組が約四千万円、同地盤改良工事を受注した鹿島が約四千四百万円、東京・世田谷区の自衛隊中央病院を受注した大成建設が約四千七百五十万円などとなっています。
自民党の各国会議員が支部長を務める政党支部を通じた献金も、〇四年までの三年間で判明しただけで、額賀福志郎防衛庁長官、久間章生元防衛庁長官(現自民党総務会長)ら二十人に約二千万円が支払われています。
献金額は、額賀氏が三年間で九十六万円、久間氏が同約三十六万円などです。
■証拠隠滅報道でコメント避ける
■施設庁次長
防衛施設庁の戸田量弘次長は七日の記者会見で、同庁談合事件で前建設部長が証拠隠滅を指示したとの一部報道について、「検察当局と相談した結果、捜査に影響を及ぼすことはコメントできない」と述べました。
昨年十二月に同庁をめぐる談合疑惑が明るみに出たため、前建設部長が部下に対して、空調関連工事や大手ゼネコンによる土木・建設工事で業者に工事を割り振った「配分表」を裁断機にかけて処分するよう命じたと報じられたもの。同庁はこうした事実を把握しながら公表せず、「本人の希望」との理由で前建設部長を施設庁付に更迭したといいます。
戸田次長は、前建設部長が同庁付に更迭された理由については「心身の疲労で、部長職をやっていく自信がないと本人から異動希望の申し出があった」と説明しました。
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