2006年2月9日(木)「しんぶん赤旗」
“日本外交は孤立 靖国参拝やめよ”
シンガポール前首相
シンガポール前首相のゴー・チョクトン上級相は六日、シンガポールで開かれたアジア太平洋円卓会議で基調演説し、靖国神社について、「日本の指導者は参拝をやめるべきだ」と小泉首相や閣僚が参拝を中止するよう強く求めました。
シンガポール紙聨合早報七日付(電子版)によると、ゴー氏は「日本の指導者はすべて事実に基づき判断を下さなければならない。事実上、日本はこの問題で外交的に孤立した状態におかれている。他のアジア諸国はすべて、また米国さえも日本の立場にはくみしていない」と指摘。靖国神社問題は単なる日本国内の政治問題ではなく、国際的に解決しなければならない外交問題だと強調しました。
ゴー氏は、日本の指導者は相互に関連しあった政治問題を慎重に解決すべきであり、戦没者を追悼する他の方法を探すべきだと述べました。
また「シンガポールもかつて日本の占領支配時代に苦難をこうむった。われわれは歴史を決して忘れないが、すでに前に向かって歩んでいる。われわれは、さらに良い未来をつくり出せると信じており、不愉快な記憶にまとわりつかれてはならない」と語りました。
小泉首相は七日、国会答弁で「私が靖国参拝しなければ首脳会談に応じるという方がむしろ異常だ。そんなことをいっている首脳は(中国や韓国の)ほかにどこにもいない」と述べています。