2006年2月11日(土)「しんぶん赤旗」
違法の偽装請負横行
塩川議員 実態示し是正求める
日本共産党の塩川鉄也議員は十日の衆院予算委員会で、製造現場でふえる派遣や請負など非正規雇用の実態を告発し、その是正をもとめました。
塩川氏は、人材派遣や業務請負などの人材関連サービスが急成長する一方で、労働者は短期契約で低賃金の状態におかれていることを指摘。政府に実態の把握を求めました。二階俊博経済産業相は、製造業の67・7%が請負労働者をうけいれ、派遣と請負をあわせて八十一万人が従事しているとのべました。
人材派遣会社ダイテック(現コラボレート)の請負の利点を売り込んだセミナー資料では、「偽装請負」についても記述しています。
「偽装請負は違法行為だと承知で売り込んでいる実態がある」とのべ、「違法状況は是正されていない。それを承知で受け入れている大手製造メーカーも共犯といわれても仕方がない」と批判しました。
塩川氏は、小泉首相が「(正規雇用を増やす)環境を整備していきたい」(七日、衆院予算委員会)とのべていることを指摘。「一方で規制緩和で非正規雇用を拡大するようなやり方は逆行だ」と批判しました。川崎二郎厚労相は、「流れの中で企業が変動に柔軟な対応をしていくのはやむをえない」などとのべました。
塩川氏は、北畑隆生経済産業政策局長が「派遣ではものづくりの強さはでない」と述べていることを取り上げ、「製造業への派遣期間を一年から三年にするような規制緩和はやめるべきだ」と迫りました。二階経済産業相は「ご指摘の点も十分に視野に入れて検討したい」とのべました。
厚生労働省から天下りした日本人材派遣協会の役員が、「自由化業務の受け入れ期間一―三年の規制撤廃」「医療など禁止業務の解禁」など五つの規制緩和を求めていることを紹介。「政府がこんな規制緩和を許せば、どんどん非正規雇用に置きかえられる」と批判しました。
▼偽装請負 仕事の完成を目的に、業務の一部を請け負うことが「業務請負」です。請負企業は労務管理に責任を負い、発注元企業は労働者を指揮命令できません。派遣労働には事業者に雇用条件などの一定の規制があるため、それを免れるために、実際は発注企業が労働者を指揮命令する派遣なのに請負を装った違法な「偽装請負」が横行しています。