2006年2月11日(土)「しんぶん赤旗」

少人数学級のメリット、デメリットは?


 〈問い〉 日本共産党が取り組むべきだとしている少人数学級について、私はとても興味を持っています。そこで少人数学級とはどのようなものか。(1) 少人数学級とは何人から何人なのか、(2) ティームティーチングとの違いは、(3) 学力とどうかかわっているのか、(4) 良いところ、悪いところについて教えてください。(東京・一読者)

 〈答え〉 少人数学級とは、とくに何人から何人というきまりはありませんが、日本は国基準が1学級40人なので、それ以下の未満による学級編制をとるものを少人数学級といっています。たとえば「30人」学級(1学級の最大限を30人とする)、「35人」学級などです。

 ティームティーチングは1学級に2人の先生がつきますが、たいがい特定の教科(算数とか)だけです。

 たとえば小学1年生が40人いる学校で考えれば、「30人」学級制だと、20人、20人の2クラスにわかれてすべての授業で20人の授業となりますが、ティームティーチングだと、特定の教科だけで40人の子どもを複数の教員が教えることになります。

 両者の違いの一つは、全部の教科できめ細かく教えられるか、特定の教科に限定するかです。もう一つあげれば、子どものかかえるさまざま不安や悩み、問題行動をきめ細かくみることができるかどうかという点も、大きいと思います。

 少人数学級が子どもの学習に効果があることは、アメリカなどでの研究で明らかになっています。現場の先生方に聞いても、20人台なら、一人ひとりのつまずきがよくわかるが、30人以上になるとそれがむつかしくなるといいます。ちなみに、「学力世界一」で注目されているフィンランドは、「24人学級」(外国語はさらにそれを半分にする)です。

 「良いところ」は、学習面にしても生活面にしても、子どもをていねいに見られるようになることです。

 「悪いところ」として指摘される主な議論は「切磋琢磨(せっさたくま)がなくなり子どもたちの社会性が育たない」というものです。

 しかし、小規模校などでの1クラス十数人の子どもたちをみても、1クラス十数人から二十数人が当たり前になっている欧米をみても、この議論は成り立たないと思います。

 文部科学省の発表した資料でも、約8割の学校がクラス人数を引き下げたほうが、ティームティーチングよりも効果的とこたえています。少人数学級にして、大勢の子どもやおとなたちと交流する場をつくるなどして社会性の面にも気を配るのが、子どものことを考えたやり方だと思います。(喜)

 〔2006・2・11(土)〕


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