2006年2月14日(火)「しんぶん赤旗」
英兵が少年暴行
国防省は調査 英紙、映像を公開
イラク
【ロンドン=岡崎衆史】英紙ニューズ・オブ・ザ・ワールド十二日付は、イラク駐留英兵が捕らえたイラク人少年に暴行を加えていたことを暴露しました。その様子を撮影した映像をホームページ上で公開。BBCをはじめ英国内のテレビ局はこの映像を報道し、多くの英国民が衝撃を受けています。英国防省は調査を開始しました。
同紙によると、映像は虐待した兵士の仲間が家庭用ビデオカメラで撮影し、仲間うちで見ていたといいます。撮影時期と場所は、二〇〇四年初めのイラク南部とみられます。映像を目にした人物が同紙に持ち込み、明らかになりました。
映像は、英軍施設に投石するデモ隊を英兵が走って追いかけ、八人の英兵が十代とみられる四人のイラク人少年を捕らえて施設に戻るところから開始。「お願いだから、やめて」と叫ぶ少年たちに対して、兵士らは四十二回にわたって棒やこぶしで殴ったり、けったりしています。その間、撮影者は「いけいけ、お仕置きだ」「悪ガキめ」「死ね」などと汚い言葉を連発。また、デモ隊追跡から帰還してきた他の兵士たちも、暴行され血を流している少年を見ながら無視して通り過ぎています。
同紙は、ビデオのコピーを国防省に提出。国防省報道官は「あらゆる虐待と残虐行為を非難する」と述べるとともに、すでに憲兵隊が調査を始めたことを明らかにしました。
ブレア英首相は十二日、「虐待との指摘を深刻に受け止め、徹底した調査をする」と表明しました。