2006年2月19日(日)「しんぶん赤旗」
イラク戦争考え続ける
日本ペンクラブがシンポ
日本ペンクラブ(井上ひさし会長)は十八日、東京の日本プレスセンターホールでシンポジウム「いま、戦争と平和を考える イラク戦争とは何だったのか」を開催し、約二百五十人が参加しました。
新井満、松本侑子、田岡俊次、吉岡忍の各氏をはじめ、多くの作家やジャーナリストが出席した同シンポジウム。イラク戦争の映像をまじえた野中章弘氏の「報道されないイラク戦争」の報告をふまえ、活発な討論がおこなわれました。
井上ひさし氏は、「仮想敵をつくることはさんざん歴史が繰り返してきた。マスコミが熱心にやらないといけないのは、だれかが仮想敵をつくろうとしているのではないか、と疑うこと」と発言。金平茂紀氏は、アメリカに長期滞在して取材した経験をふまえ、「アメリカは自分に都合の悪い数字はださない。米兵の死傷者数は公表するがイラク人を何人殺したかは公表しない。こういうやり方はフェアなんだろうか」と問題提起しました。高橋千劔破(ちはや)氏は、「だれも責任をとろうとしないでうやむやにされているが、イラク戦争の責任は考えつづけていかないといけない。最大の環境破壊は戦争だ」とのべました。阿刀田高氏は、「日本人は非常に寛大になってしまった。ペンクラブは、いまの時代がちょっとおかしいとき、おかしいぞ、ちょっとまってくれという団体でありたい」と閉会のあいさつをおこないました。