2006年2月22日(水)「しんぶん赤旗」

偽装生んだ「大臣認定」

構造計算プログラム 穀田議員が批判

行政、検証の体制なし

衆院予算委


 “一九九八年の建築基準法改悪で構造計算プログラムの大臣認定を導入したことが偽装を生む要因になった”――日本共産党の穀田恵二議員は二十一日の衆院予算委員会で、姉歯秀次元一級建築士が耐震強度偽装に利用した構造計算プログラムの問題を取り上げ、政府の責任をただしました。


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(写真)耐震強度偽装問題について質問する穀田恵二議員=21日、衆院予算委

 国交省の構造計算書偽装問題緊急調査委員会の和田章東京工業大学教授は「構造計算はコンピューターがしてくれると誤解され、計算結果はフリーパスに」「大臣認定がこの過信を生み、状況をさらに悪化させた」(「日経」十四日付)とのべています。穀田氏はこの指摘を示し、構造計算プログラムを「認定することでお墨付きを与えたことになる」とのべ、大臣認定を廃止するように求めました。

 建築基準法改悪で、大臣認定プログラムを使用すれば、それまで委員会方式で審査していた高層建築物についても、高さ六十メートル以下は書類審査ですませることができるように緩和されました。

 穀田氏は「少なくとも多数の住民が住む、高さ二十メートル以上のマンションなどは委員会方式にすべきだ」と要求。「国交省は『九八年の改正は間違いではない』というが、とんでもない。これが原因になっている」と国の責任を指摘しました。

 穀田氏はまた、大臣認定プログラムを国交省と建築確認審査をする自治体が持っていなかったことを追及しました。

 地方自治体における建築確認の実態について穀田氏は「極めて不十分」として、「そもそも(構造計算書を)再計算しようにも大臣認定プログラムをもっていたのか」と質問。山本繁太郎住宅局長は「国交省は持っていない。(地方自治体においても)持っていなければならないものではない」と答弁しました。

 穀田氏は「構造計算を審査する自治体(特定行政庁)はプログラムもなく、しかも構造計算のわかる担当者がいる自治体は14%しかない」と紹介し、「全く体制がないということではないか。つくる側は改ざんできる。調べる方の体制は不十分。これが実態だ」と批判しました。


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