2006年2月25日(土)「しんぶん赤旗」
介護保険施設
「経済的理由」で347人退所
食・居住費の全額負担で
昨年十月から特別養護老人ホームや老人保健施設など、介護保険施設の食費・居住費が全額自己負担になったことによる「経済的理由」で施設から退所した人が、少なくとも二十一県で三百四十七人に上ることが明らかになりました。中央社会保障推進協議会(中央社保協)が各県保険医協会の実施した施設アンケートや地域社保協の調査などをまとめたもの。
東北六県の保険医協会では昨年十―十二月(青森は昨年十月と今年一月)を対象に、六県内すべての介護保険施設(千百十七)にアンケートを送付し、五百八十七施設から回答を得ました。
うち九十八施設(16・7%)で百九十四人が退所していました。内訳は青森三十七人、秋田二十五人、山形二十人、岩手二十五人、宮城五十五人、福島三十二人です。
退所者の負担増額は、月二万円以上四万円未満が33%、五万円以上七万円未満も16%ありました。個室は31%、相部屋は49%の負担増で、料金が安い相部屋でも退所者が多いのが特徴です。退所者の58%が自宅に戻っていますが、介護度の重い要介護5と4が四割を占めていました。「退所を予定している方がいる」施設は11%、「負担額を聞き入所をとりやめた人がいる」施設は15%ありました。
福岡県でも保険医協会が県内三百二十九施設をアンケート調査。八十七施設から回答があり、十三施設(15%)で二十七人が退所していました。
各県保険医協会の施設アンケートで、愛知三十八人、島根十九人、宮崎十二人―の退所者数も明らかになっています。
長崎県社会保障推進協議会も県内の三百十の施設を対象に調査。八十六施設が回答し、十二施設で二十三人が退所していました。