2006年3月1日(水)「しんぶん赤旗」

“心”と“物質”どっちが大切?


 〈問い〉 小泉首相が靖国神社に行くのは「心の問題」といっているのはちょっと違うと思いますが、友人は「心を大事にしないから今のようないろんな事件が起きる。共産党は『唯物論』だから心よりも物質を大事にする」といいます。そうではないと思うのですが、共産党は心のことをどう考えているのか、いまひとつわからないので、教えてください。(富山・一読者)

 〈答え〉 高齢者や子どもへの虐待、家庭基盤の崩壊、犯罪の増加などの社会病理が深刻化し、心を大事にしない風潮に多くの人びとが苦しみ、打開を求めています。

 日本共産党は、人間らしい暮らしをまもるために奮闘し、人間と人間とのあたたかい交流の関係をつくりあげる方針を、今年1月に開かれた第24回党大会で決めました。

 唯物論が心より物質を大事にする、というのはまったくの誤解です。唯物論というのは、私たちの生きる世界が物質から成り立っているか、精神から成り立っているか、という世界観の問題で、究極的には物質(自然)が根本だとする立場をさしています。人間の精神活動が高度に発達した脳という物質の働きであるというのが唯物論の見地で、このことは今日では常識となっています。

 もともと、近代の唯物論の考え方は、人間性が発揮される世界をめざして、現状を変革しようとする人間の活動のなかから生まれました。

 現実をありのままに見て社会のしくみとその発展の法則を正しく認識し、社会進歩の方向をみきわめて改革をすすめるというのが唯物論の立場にたつ科学的社会主義であり、日本共産党はこの考え方を羅針盤にしています。その意味で、人の心、精神活動を何よりも大事にしているといってよいでしょう。

 自民党政治の「構造改革」は日本を弱肉強食社会にゆがめていますが、自民党幹事長や竹中平蔵大臣などは、人の心も金で買えるなどといってはばからない人物を総選挙で持ち上げました。これほど人の心をふみにじるものはありません。敗者は自己責任、という財界にたいして、日本共産党は「社会的連帯で社会的反撃を」と呼びかけています。

 心を大事にする日本共産党の姿は党大会での発言にもみられます。志位和夫委員長は「どの発言も、理とともに情―胸をゆさぶる感動とロマンにあふれていました。また困難にひるまない明るい不屈性が討論全体にみなぎっていました」と述べています。(平)

 〔2006・3・1(水)〕


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