2006年3月2日(木)「しんぶん赤旗」
侵略正当化に懸念
韓国大統領 靖国参拝中止を要求
韓国の盧武鉉大統領は一日、日本の植民地支配からの独立を目指した一九一九年の「三・一独立運動」記念日の演説で、小泉首相に靖国神社参拝を中止するよう重ねて求めました。大統領は、小泉首相が靖国参拝問題を「個人の問題」としていることに対し、「国家指導者の行為は、人類普遍の良心と歴史の経験に照らし、果たして正当なことなのかを基準に評価されるほかない」と批判しました。
小泉首相は靖国参拝の理由を「二度と戦争をしない決意」と説明し、韓国や中国からの批判を干渉だとして無視しています。
これに対し大統領は「国家指導者の言葉と行動の意味は、本人の弁明ではなく、その行動が持つ客観的な性格によって評価される」と指摘し、「日本はすでに謝罪した。われわれは重ねて謝罪を要求はしない。謝罪に見合った実践を求めている。謝罪を覆す行動に反対している」と強調しました。
大統領は「今でも日本が侵略と支配の歴史を正当化し、再び覇権の道に進むかもしれないという疑いを韓国国民が持つのは当然だ」と懸念を表明し、「日本が『普通の国』になろうとするなら、法を変えて軍備を強化するのではなく、まず人類の良心と道理に合った行動をすることによって国際社会の信頼を確保するのが正しいことだ」とのべました。