2006年3月3日(金)「しんぶん赤旗」
政府予算案に対する
赤嶺議員の反対討論
(要旨)
日本共産党の赤嶺政賢議員が二日、衆院本会議で行った政府予算案に対する反対討論(要旨)は次のとおりです。
日本共産党を代表して反対の討論を行います。
第一は、国民への負担をさらに引き上げ、社会保障改悪を次々すすめる予算だということです。
予算案は定率減税の全廃を盛り込んでいます。所得税と住民税を合わせて三兆四千億円もの増税です。史上最高の利益をあげ続けている大企業とは対照的に、国民の所得は減り続けており理由になりません。定率減税は恒久的措置として実施されたものです。同じ法律で措置された「法人税率の引き下げ」や「所得税の最高税率引き下げ」には手をつけず、定率減税だけ廃止するのは全く道理にあいません。
「現役並み所得」の七十歳以上の高齢者の自己負担を二割から三割に引き上げることや、長期入院の高齢者の食費と「ホテルコスト」の負担を増やすことなども重大です。「所得の格差」が「命の格差」につながる社会にしてはなりません。
第二は、破たんがあらわになっている「構造改革」路線を加速する予算だということです。
耐震強度偽装問題、ライブドア事件は、市場原理主義、規制緩和万能の立場にたってきた小泉政治の弊害と破たんを浮き彫りにしました。
社会的格差と貧困の増大のおおもとには、極端な低賃金など劣悪な労働条件におかれた非正規雇用の急速な増大があります。これは労働分野の相次ぐ規制緩和によってもたらされたものであり、この放置は日本社会の将来をも危うくするものです。
米国産牛肉問題は、米国いいなり政治の姿を示しました。全頭検査など日本と同じ安全体制が確保されるまで輸入再開は行うべきではありません。
また予算案が「三位一体改革」の名で、義務教育費国庫負担金や児童扶養手当給付費負担金などの縮減を盛り込んでいることも重大です。
第三は、日米軍事同盟と基地の再編強化をすすめるものだということです。
これは、アメリカの世界的な「米軍再編」方針にそった、先制攻撃態勢づくりにほかならず、基地負担の軽減など全くのまやかしであります。だから、沖縄でも、座間でも、岩国でも、基地をかかえる全国の自治体・住民が、反対の声をあげているのであります。一兆円とも言われるグアムへの米軍移転費用の分担など、もってのほかであります。
政府が自衛隊のイラクからの撤退について、いまだに明らかにしないばかりか、航空自衛隊による輸送活動の継続・拡大をねらっていることは重大です。自衛隊の全部隊の即時撤退を強く求めるものです。
わが党は、本予算案の抜本的組み替えを求める動議を提起しました。
軍事費や大型公共事業のムダと浪費を徹底して削減すべきです。防衛施設庁の官製談合事件が明らかにした癒着と浪費の構造を根絶するため、天下り全面禁止、企業・団体献金の禁止など抜本的な改革を断行すべきです。
大企業、大金持ちに対する優遇税制にメスを入れる税制改革こそ今求められています。消費税大増税に走ろうとする政府・与党の姿勢は断じて容認できません。
以上、予算案を国民の生活支援の方向で抜本的に組み替えることを主張し、反対討論を終わります。