2006年3月4日(土)「しんぶん赤旗」
平和対談 ペンクラブ岩手で集い
宮沢 りえさん
井上ひさしさん
日本ペンクラブ(井上ひさし会長)は三日、詩人の石川啄木や宮沢賢治のふるさと、岩手県盛岡市の県民会館大ホールで第二十二回「平和の日」いわての集いを開催し千八百人の聴衆で会場がいっぱいになりました。
国際ペンクラブが「平和の日」と定めている三日にあわせた企画で、井上会長が女優の宮沢りえさんと対談。広島の原爆を題材にした井上氏作の「父と暮せば」の映画版に出演した宮沢さんは、「台本を読んで、すばらしいけれどできないと母にいったら、絶対にやってと初めていわれました」と出演の経緯を振り返りました。出演を決意してからは、「目をそむけていてはできない。過去の現実に向き合わなければ」と、実際に広島を訪ねた経験などを語りました。
井上氏は、原爆により亡くなった人たちの写真をみながら「あの人たちは何かいいたかったことがあるに違いない」と思いつつ「父と暮せば」を書いたと発言。広島で被爆し終戦直後に無くなった女優の生涯にふれつつ、「自分らしく生きられるという状態」の大切さを語りました。
宮沢さんは「何が平和か何が幸せか忘れてしまう瞬間があるけれど、こうして笑っていられることが当たり前でなく幸せなことだと感じたい」とのべました。
そのほか、浅田次郎、立松和平、高橋克彦、西木正明、森ミドリ、新井満の各氏が対談しました。