2006年3月4日(土)「しんぶん赤旗」

いま話題です しんぶん赤旗


「構造改革」現場の実態

「タクシー」業界などリポート

 小泉首相がすすめる「構造改革」路線のもとで一体、何が起きているのか―。各分野の現場から実態と真実を明らかにするシリーズ企画「構造改革の現場から」が反響を呼んでいます。

 一回目は、「規制緩和の実験場」として、他分野に先駆け規制緩和・「構造改革」を推進したタクシー分野を五回にわたり追跡(昨年十二月四日付から五日間)しました。

 小泉内閣は「構造改革」を宣伝するパンフレットで、「タクシーの利便性が向上しています」と胸を張っていますが、運賃と台数の規制をなくした結果、労働者の長時間労働や収入大幅減、重大事故の増加…。

 こんな実態や、規制緩和の見直しを求め、団結しはじめた協会、労組、市民の姿を報道しました。タクシー労働者らの粘り強い運動で、国交省は業者の監督強化を実施することになりました。

 シリーズでとりあげたテーマは、派遣労働、市町村合併、病院や保育園の民営化、格差社会など多岐にわたります。構造改革の影の指導者「規制改革・民間開放推進会議」の実態にも切り込みました。「ここまで、きているのか」「よく報道してくれた」という驚きや激励の声も。今後も現場からの“告発”を続けます。

あすを開く運動励ます

労働者・青年・女性・パート…

 「青年の頑張っている姿に励まされる思いです」「ぼくも一生懸命生きている。たたかって、生き抜こう」。本紙連載中の「立ち上がる若者たち―青年ユニオン」に寄せられた感想です。

 財界・大企業がもうけ第一のために正規労働者をリストラし、無権利で劣悪な賃金の不安定雇用労働者への置き換えをすすめ、格差是正が大きな焦点となっています。

 「赤旗」は、これらの人たちの悩みや怒りに向き合い、列島各地で日々くり広げられている雇用や生活を守る運動をはじめ、労働者、中小業者、青年、女性、パートの人たちの草の根からの運動を追いかけています。

 派遣社員から正社員になり、「ものづくりを引き継ごう」と決意する作業工具製造の奈良の青年たち、「赤ちゃんにやさしい産院をなくさないで」と五人から始めた署名が住民過半数の九万五千人の願いに広がり、存続をかちとった長野・上田の母親たち…。シリーズ「手と手を結んで立ち向かう人たち」では、小泉「構造改革」のもとですすむ雇用、くらしの破壊に対し、手を結んで立ち向かい、あすを切り開こうとする姿を生き生きと紹介しています。

放送界 何が起きている

背景にも立ち入り分かりやすく

 慰安婦番組への自民党幹部の介入があったNHKにたいして、視聴者は「政治との距離を取ってほしい」と声をあげました。フジテレビやTBSが、インターネット関連企業に買収される動きもありました。一九九四年、民放の株式上場が解禁になります。新たな事業展開、デジタル化への資金ねん出のためでした。それが今回の買収騒動の発端です。

 テレビラジオ欄は、放送界で起きている大きな出来事を、背景にも立ち入ってわかりやすく取り上げています。NHK問題を、「NHK対『朝日』」の対決ではなく、公共放送のあり方の視点から報道してきました。また、新聞各社は地上デジタル推進全国会議の構成メンバーであり、デジタル化の問題点を追及することはできません。

 いま、政府の側からNHK「改革」が叫ばれています。規制改革・民間開放推進会議(議長・宮内義彦オリックス会長)は受信料制度の見直しを打ちだし、竹中総務相の私的懇談会はNHKの事業範囲の縮小を提起しています。

 市民のための放送はどうあればいいのか。読者のみなさんとともに考える紙面を提供しています。


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