2006年3月11日(土)「しんぶん赤旗」
半年前に危険性指摘
JR西・伯備線事故
穀田議員明らかに “現場の意見無視”
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一月にJR西日本・伯備線(岡山県倉敷駅―鳥取県伯耆大山駅)で保線員三人が特急列車にはねられ死亡した事故(鳥取県江府町)について十日、現場の労働者が半年以上前に事故の危険性を指摘し、対策を求めていたことが分かりました。衆院国土交通委員会で日本共産党の穀田恵二議員が明らかにしました。
現場労働者が危険性を指摘していたのは昨年七月二十二日、米子保線区の「緊急安全ミーティング」でのことです。JR西日本は昨年の福知山線の脱線事故後、「安全性向上計画」を実施しています。ミーティングは、「計画」にもとづいて開いたものでした。
穀田氏は、現場労働者が「伯備線は曲線区間が多く見通しが悪い」「特に列車見張りについては、(列車接近警報装置など)ハード対策を希望する」と意見を出していたことを示しました。対策をとっていれば事故は防げた可能性があります。
JR伯備線では、一九九八年にも一人が死亡する事故が起きています。穀田氏は「過去の事例を教訓にすれば今回の事故は防げた」とも指摘しました。
「計画」策定後も、JR西日本管内ではトラブルが相次いでいます。国交省の梅田春実鉄道局長は、架線からの退去が遅れ「あわや事故に」という事態が、伯備線事故以外に五件あり、うち三件は事故後に起きていることを示しました。
穀田氏は「再発防止できないのは問題だ」「国交省の監視・監督責任が果たされていない」と批判。北側一雄国交相は「まことに遺憾。こうした事故を発生させないよう引き続き、しっかり指導していきたい」とのべました。