2006年3月14日(火)「しんぶん赤旗」

私大、受験から入学まで214万円

年収減少 親の負担重く

東京私大教連 新入生の家計調査


 受験から入学までにかかる費用は二百十四万円――。家計に重くのしかかる教育費の実態が十三日、二〇〇五年度「私立大学新入生の家計負担調査」の結果から明らかになりました。東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)が一九八五年度から始めた調査で、今回で二十一回目です。


 調査対象は首都圏の二十二の私立大学・短大で、同年度の新入生の家庭にアンケートを行いました。調査票の送付枚数は三万二千枚で、回収率は12・9%(四千百十三枚)でした。

 調査結果によると、自宅外通学の場合、受験費用、家賃、敷金・礼金、納付金(授業料、入学料など)、生活用品費を合計した「受験から入学までの費用」が二百十四万三千円と、前年度比で約四万五千円(2・1%)増加しています。自宅通学者は百四十九万円で、前年度とほぼ同額でした。

 入学までの費用に、四月から十二月までの仕送り額を足した「入学の年にかかる費用」(自宅外)は約三百十万円でした。

 自宅外通学の家庭の平均税込み年収は、九百六十七万円で、子ども一人の入学の年の費用が年収の三割以上という重い負担となっていることが浮き彫りになりました。自宅通学も含めた世帯の平均税込み年収は〇五年度は九百三十一万円で、七年前に比べ、百万円減っています。

 アンケートに応じた父母からは「二人の大学生に仕送りが四年間、とても大変。プラス授業料等納付金を月平均したら、月に四十五万円かかる。とんでもない額です」(工学院大学)などの切実な声が寄せられています。

 前田登紀雄東京私大教連副委員長は「調査結果は、格差社会の広がりが問題になっているなか、新入生家庭の税込み年収がダウンし、親の経済負担がますます重くなっていることを示しています。日本の高等教育予算を現在のGDP(国内総生産)比0・5%から、先進諸国並みの同1・0%に増額することが必要です」と語っています。

グラフ

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