2006年3月16日(木)「しんぶん赤旗」

石油タンク

2476基、地震対策必要

吉井議員指摘 液面動揺で火災も


 長周期地震動によるスロッシング(液面動揺)現象が起こって発生する石油タンクの火災が心配されている問題で、対策が必要な石油タンクは全国で二千四百七十六基ある――。日本共産党の吉井英勝衆院議員は十五日に開かれた衆院総務委員会で、対策を急ぐよう国として力を入れて取り組むべきだと迫りました。

 二〇〇三年に十勝沖地震でスロッシング現象による石油タンク火災被害が発生しました。その対策として消防法規則が改正され、事業者は二〇一七年までに対策を講じることになっています。

 吉井議員は、対策が必要な浮き屋根式屋外貯蔵タンク二千四百七十六基のうち、千八基が三大都市圏にあることを指摘しました。そのうえで、三大都市圏の石油タンクの多くが東海・東南海・南海地震の震源域から二百キロメートル以内にあり、巨大地震発生時、同時多発的に大規模火災が起こる可能性を、専門家が指摘していることを紹介しました。

 吉井議員は、「対策は十分始まっていないのが現状だ。(対策期限の)一七年まで大地震が起こらないとは限らない。国として力を入れて取り組むべきだ」と求めました。

 竹中平蔵総務大臣は、「重要なテーマだと承知している。積極的に取り組んでまいりたい」と答弁しました。


 スロッシング(液面動揺) 液体を入れた容器に震動を与えたときに、内部の液体が動揺する現象。周期の長い揺れ(長周期地震動)が、大型石油タンクなどと共振すると、スロッシングが起こります。二〇〇三年九月に発生した十勝沖地震では、震源域から約二百キロメートル離れた苫小牧(とまこまい)の石油タンクで、スロッシングによって石油が漏れて炎上する被害が発生しました。


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