2006年3月18日(土)「しんぶん赤旗」
占いや予言、幽霊をどう考える?
〈問い〉 テレビを見ていると占いや予言師がいろんなことを言っています。子どもはそれを見て、お化けの存在を信じています。共産党はこういうことをどう考えますか?(東京・一読者)
〈答え〉 お化けや幽霊などの正体については、その多くが科学の力でつきとめられています。しかし、私たちのまわりには未解明な問題も少なくありません。自然と社会の現象が科学的に解明されていても社会通念になっていない場合もあります。
予言などがもてはやされるのは、科学的に未解明な問題が存在するとか、古代からの占いの歴史的影響があるだけでなく、弱者を傷つけても痛みを感じない風潮が社会をおおい、多くの人が将来に強い不安を抱いているという社会状況があると、日本共産党は考えます。
オウム信者に見られるように、科学の研究者であっても科学的精神が身についていなければ「神秘」とされる世界に迷い込むことがあります。放送局側が人びとの何かにすがりたい気持ちを視聴率につなげて占い番組を多発すれば、社会をいっそうゆがめる悪循環になります。敏感で社会生活の経験の少ない子どもたちがもっとも影響をうけやすいでしょう。
テレビに登場する占い師が不幸の原因は先祖供養不足などとズバリ言って高額な墓の建立をすすめ、その裏で墓石業者とつながって、放送局と占い師と墓石業者の収入は持ちつ持たれつの関係でした。これは本紙連載「葬儀考」でもとりあげています。
民間放送連盟の放送基準では、第7章「宗教」の(41)に「宗教を取り上げる際は、客観的事実を無視したり、科学を否定する内容にならないよう留意する」、第8章「表現上の配慮」の(54)に「占い、運勢判断およびこれに類するものは、断定したり、無理に信じさせたりするような取り扱いはしない」と明記し、その条文解説では「現代人の良識から見て非科学的な迷信や、これに類する人相、手相、骨相、印相、家相、墓相、風水、運命・運勢鑑定、霊感、霊能等を取り上げる場合は、これを肯定的に取り扱わない」としています。
未知の問題には科学的なものの見方・考え方でその解明にとりくむ立場の日本共産党は、この放送基準を妥当な基準と考え、これをしっかり守った番組制作を求めています。(静)
〔2006・3・18(土)〕