2006年3月23日(木)「しんぶん赤旗」
フェロシルト撤去早く
産廃再利用の禁止求める
市田議員
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有害物質を含む産業廃棄物をリサイクル製品として認めたため、汚染被害が拡大している―。日本共産党の市田忠義議員は二十二日の参院環境委員会で、三重県がリサイクル製品に認定した発がん性の有害物質を含む「フェロシルト」の早急な撤去と有害物質を含む廃棄物の資源化を原則禁止するよう主張しました。
フェロシルトは石原産業(本社・大阪)が酸化チタンを製造する際に発生する廃硫酸を再利用した「製品」として出荷され、埋め戻し用土木資材に使われています。ところが、フェロシルトが埋設されている土壌から環境基準を超える発がん性物質の六価クロムが検出され、愛知県瀬戸市北丘町ではフェロシルトによる国の特別天然記念物オオサンショウウオの死滅が心配されています。
フェロシルトを産廃処理すれば一トンあたり八千円―一万円かかりますが、「製品」として出荷すれば一トンあたり百五十円で販売できます。
市田氏は、石原産業がフェロシルトの数十億円の産廃処理費用を浮かせていたとして、リサイクル製品としてお墨付きを与えた三重県の認定制度に問題があるとただしました。また環境省として各県に認定制度の総点検を促すべきだと求めました。
小池百合子環境相は国の対応に問題がないとしながら、フェロシルトの撤去について「関係自治体に指導と助言を進めていきたい」と答弁。「リサイクルの名を借りて自治体の審査を欺く事例は遺憾であり、リサイクル製品の性状などについて慎重な審査が行われるべきだ」とのべました。