2006年3月24日(金)「しんぶん赤旗」
企業誘致
自治体の財政圧迫
塩川議員 亀山市の実態あげ指摘
大手メーカーの“国内回帰”を受け、地方自治体の誘致合戦が過熱しています。日本共産党の塩川鉄也議員は二十二日、衆院経済産業委員会で、企業誘致のための多額の税金投入が、自治体の財政を圧迫していると指摘しました。
塩川氏は、電機大手シャープの液晶テレビ工場を誘致した三重県亀山市の実態をあげ、「大企業の都合に左右されない地域経済振興策こそ必要だ」と強調しました。
同工場は〇四年に開業。三重県と亀山市が、百三十五億円という破格の補助金投入を約束し誘致しました。「一万二千人の雇用創出効果がある」といわれたものの、実際に同工場で働くのは、請負企業を含めてわずか四千人(三月現在)。塩川氏は「地元新卒の採用は四年間で二百二十五人。効果はきわめて限定的だ」と指摘しました。
財政面でも亀山市は、工場からあがる固定資産税の九割相当額を交付金として“環流”しているため、実際に使える収入は一割しかありません。しかし、見かけ上は大幅税収増となったため、国から地方交付税を受け取れなくなりました。
塩川氏は、「企業の都合を優先した国内回帰では、地元自治体の負担が増える結果になる」と批判。二階俊博経産相は「これからの立地政策を推進するうえで、参考にしたい」と答えました。