2006年3月28日(火)「しんぶん赤旗」
医療費推計は過大
小池氏 “改悪法案 根拠崩れた”
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日本共産党の小池晃議員は二十七日、参院予算委員会のしめくくり総括質疑で、医療改悪の前提となる将来の医療費推計が、計算方法の意図的な変更で過大に見積もられていることを明らかにしました。小池氏は「根拠がくずれた医療改悪法案は撤回しかない」と強く求めました。
小池氏は「政府は医療費が今後激増して医療保険が破たんするかのように言うが、それは本当なのか」として、厚生労働省の医療費予測がどんどん下がっている事実を示しました(グラフ)。「一人あたり医療費」の伸び率が年々低下しているためで、これまでの連続する医療改悪がいかにすさまじいものだったかを示しています。
しかも今回の六十五兆円の推計では計算方法を変更しました。
これまでの推計で用いた直近五年間の医療費の伸び率に対し、今回は九五年から九九年までの伸び率を使っています。
変更の理由を問われて川崎二郎厚生労働相は「介護保険導入や医療制度改定などの大きな制度変更があったのでその影響をのぞくため」と答えました。
小池氏は「制度改悪を元に戻すならともかく、それが続くのだから変更はおかしい」と批判。従来の方法で試算すると二〇二五年度の医療費は四十三兆円になることを示しました。
推計の見直しを求めた小池氏に対し、小泉首相は「推計は当たることもあればはずれることもある」と答弁。小池氏は「この推計が医療改悪法案の根拠であるのに、あまりに無責任。急に推計方法を変えたのは、今までの推計方法では制度改悪しなくても(医療費削減の)目標を超えてしまうからだ」と批判し、法案の撤回を求めました。
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