2006年3月30日(木)「しんぶん赤旗」
耐震基準に地域差
仁比議員 強度の割引やめよ
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日本共産党の仁比聡平議員は二十九日の参院災害対策特別委員会で、耐震強度偽装事件で問題になった建築物の耐震強度について質問しました。耐震強度の基準が地域ごとに異なり格差があることを示し、是正を求めました。
格差の原因は国土交通省が地域ごとに定めている「地震地域係数」です。同係数は耐震強度を“割り引く”ものです。建築基準法は、震度6強の地震で建築物にかかる力を仮定し、その力に耐える強度を求めています。その計算の際に、建物にかかる地震の力を同係数にもとづいて低減するため、割り引かれた地域は耐震基準が低くなります。
この数値は一九五一年に導入されてからほぼ変更されていません。北海道北部や九州北部は80%、沖縄県は70%、新潟県中越大震災で被害を受けた新潟県は90%に強度を割り引いています。一方、国の基準に上乗せを独自に指導している自治体もあります。東海地震が懸念される静岡県は120%にしています。
震度6弱の福岡県西方沖地震では、竣工(しゅんこう)して一年から八年のマンションも半壊しました。福岡県は同係数で80%に割り引きされています。仁比氏は福岡県マンション管理組合連合会が、同係数引き上げを求めていることを紹介。「いつどこで地震が起きてもおかしくないという前提で対策を」と係数の見直しを求めました。
国交省の山本繁太郎住宅局長は「地域によって差を設けるのは合理性がある」と答弁。仁比氏は「防災意識が高まる中で、地域によって基準が七割、八割、九割のままにしておくわけにはいかない」と批判しました。